『ネットワード・インターナショナル・サービス(以下、Netword)』会長、『パシフィック異文化教育アカデミー(以下、PCA)』学院長「ハロルド・A・ドレイク」がメディア掲載、取材等で取り上げられた記事を紹介致します。
以下、掲載記事
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暗黒街を牛耳るドン・コルレオーネは対立グループに銃撃され、瀕死の重傷を負う。主を欠いたコルレオーネ一家を動揺と緊迫が支配する——
F・コツポラ監督の映画『ゴッドファーザー』前半のヤマ場である。
この中にジャーナリストのハロルド・A・ドレイク氏が指摘する問題のシーンがあった。
「クレメンザという兄貴分が、アル・バチーノ扮する扮するマイケルにスパゲッティソースの作り方を教えるんです。缶詰の材料で素早く簡単にできるもので、いわば非常事態向けの簡単料理ということでしょう」
この場面、実はわずか30秒ほどのシーンなのだが、食いしん坊を自称する氏はこれを見逃さなかった。すぐにビデオを繰り返し巻き戻し、そのレシピを書きとめ、映画と同じソースを再現してみた。その料理を再現してみた。
レシピの単純さに反して、昧はコクのあるすばらしいものに仕上がった。これが1年前のこと。以来『ゴッドファーザー・ソース』はドレイク家の名物料理となった。
取材に、プライベートな旅行にと、グローバルに行動してきたドレイク氏は、世界各地の訪問先で気に入った料理に出会うと、その味を舌で覚えてくる。そして自宅に戻れば、キッチンで試行錯誤の”悩めるシェフ”と化す。このときの強力な助っ人が和子夫人だ。
訪問客の感嘆の声も楽しみ
「やはり”男の料理”の域を出ないですね。だから、妻の細かなアドバイスがなければ私の料理は成立しないでしょう。でも夫婦で、ああでもない、こうでもないと、料理を作っている時聞が楽しいんです」
客を招いた際には「えっ、ご主人がお作りになったんですか?」という相手の驚きの声から、会話が弾むこともしばしばだそうだ。「週末は月に2〜3度キッチンに立ちます。テーブル・コーディネ ートに凝るのも楽しみです」
この週末も、ドレイク家では楽しい宴が予定されているという。そして、それは「コッポラに乾杯!」という氏の笑顔と、シャンパングラスの弾ける音で始まるはずだ。
『ゴッドファーザー・ソース』
材料(8人分)
・スパゲッティ:8人分
・牛ひき肉:500g
・イタリアン・ソーセージ: 500g
・にんにく:3片
・ホールトマト:1kg
・トマトソース:300g
・トマトぺースト:200g
・赤ワイン:300cc
・スパイス
数年前、腎臓結石の手術をしたドレイク氏は、以来、料理にはほとんど塩を使わない。このソースも、ガーリックソルトをほんの少量加えるだけだ。
「その代わりにスパイスをたっぷり使うんです。スパイスの風味だけで充分、おいしく食べられますよ。ヘルシープームのアメリカでは最近、減塩のために、スパイスを多めに入れる料理法が増えています」(和子夫人)さて『ゴッドファーザー・ソース』。ドレイク氏がいくつかのポイントを教えてくれた。
●麺はゆですぎない
ドレイク家では9分ゆでの『ブイトーニ』がお気に入りだそうだ。8分半ほどで麺を潰してみて、針先ほどの芯が残っていたら火を消す。あとは余熱で「アル・デンテ」(ほどよい固さ)に。
●スパイスを効かせる
イタリアンソーセージは高級食料品店でも手に入るが、ない場合は、オレガノをたっぷり入れると”本場場”の味に近づく。
●牛肉は赤身を
できれば、赤身の部分を指定して、その場でひいてもらうとよい。またミートボールとソーセージは、サッと焦げ色がつくぐらいにソテーしてから煮込んでも、おいしい。ちなみに使用する赤ワインは、カリフォルニア産の『ポール・マッソン』。「シャンパンですら米国産のものが”世界一おいしい”というんですよ」夫人が笑って、つけ加えた。
『ゴッドファーザー・ソース』の作り方
①リビングルームで『ゴッドファーザー』のビデオを見るドレイク夫妻。『ラコステ』 のポロシャツをペアで着るほどの仲睦まじさ
②にんにくはみじん切り、ソーセージは1cm厚さに切っておく。
③牛ひき肉にオレガノ、ガーリックソルトを加え、3cm大に丸める。
④多めのオリーブオイルを熱し、にんにくをきつね色に炒める。
⑤④にトマ卜の缶詰3種を加える。ホールトマトは木べらで潰す。
⑥⑤が煮立ったら、③ミートポールと、ソーセージを加える。
⑦味を見て濃いようなら、水を加えて調節する。
⑧赤ワインを加え、再び煮立ったら、ふたをして弱火で20分煮込む。
⑨できあがり。時間があれば、小1時間煮込むと、よりコクが出る。途中、浮いてくるアクをとればベター。
ハロルド・A・ドレイク
『バシフイック・スターズ & ストライプス』紙、シニア・ライター兼エディター。51歳。米国・加州サンタモニカ生まれ。ロサンゼルス・シティ・カレッジ卒。日本特派員として1956年から韓国・ベトナムなどに勤務。
映画から書きとったレシピ。”コッポラのキッチンから。”との言葉も。
12閑静な代々木の一軒家に住む。和子夫人はテニスクラブやスクールなどを運営する『ネットワード』の社長。2人の子息は在米
これが『ゴッドファーザー・ソース』。キャベツのサラダと。イタリア料理のときは、クロスもイタリア製のものを使うそうだ。
取材・文/松木淳 撮影/多賀谷敏雄
掲載記事:サライ 第1巻 第3号 通巻3号【小学館 1989.10.19】